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花の庭

花の庭

new 2024年4月21日

春爛漫な今日この頃ですね。

今年の冬はとても暖かかったので、桜も早いかなーと思いきや、3月末に寒い日が続いて例年通り4月に入ってからの満開でしたね。と言ってる間に花は散り、街行けば既に躑躅(つつじ)が満開、そのうち藤が咲き始めますね。

明智光秀は本能寺の変の直前に開いた連歌の会で「時は今 雨が下しる 皐月かな」と詠んだ(注1)そうですが、「時は今 花も輝く 卯月(注2)かな」と言う感じでとても綺麗な季節ですね。

 

さて、そんな春。生まれ故郷の桑名に花見に行ってきました。

若き日に私が通っていた大学は名古屋の桜の名所である鶴舞公園(注3)に程近く、私の青春は鶴舞公園の桜とともにあったと言っても過言ではないのですが、それでも私的には桜と言えば故郷桑名の桑名城址公園の桜ですね。日本人にとって桜とは格別な意味を持つ花であって、色々な思い出の詰まった桑名の桜が自分的には一番かと。

 

桑名城は「家康に 過ぎたるものが 二つあり 唐の頭に 本多平八」と狂歌に歌われ、戦国無双として名高い本多平八郎こと本多忠勝さんが整備したお城です。明治維新の際、旧幕府側に味方したことから明治新政府によって毀(こぼ)たれ、現在は公園としてその遺構を残すのみとなっています。「九華公園」と呼ばれる公園で、読みとしては普通に「きゅうかこうえん」なのですが、「九華」を「くはな」と読んで「くわな」と掛けたんだそうです。

桜の名所ですからこの時期には無茶苦茶混み合います。で、早朝朝日と共にお出かけし、まだ冷たい凛とした空気の中桜を愛でてきました。

 

百人一首の名歌

 

♪ひさかたの 光のどけき 春の日に しづごころなく 花の散るらむ

 

で有名な紀友則さんは

 

♪春霞 たなびく山の 桜花 見れども飽かぬ 君にもあるかな

(春霞のたなびく山の桜はいつまでも見飽きない君の美しさのようだよ)

 

と歌いましたが、私的には「春霞 たなびく城の 桜花 見れど散りぬる 夢にもあるかな」と言う感じですね。故郷ってのは良いもんですが、限りなく切ないものでもありますね。

 

せっかくの故郷の地ですから、古くからある喫茶店でモーニング(注4)を頂いてから帰ろうかなと思ったのですが、モーニングは軒並み8時からとなっていてまだお店が開いていませんでした。「えー…」と言う感じではありますが、こののんびりさがまた我が故郷・桑名ではありますな。

 

♪ 春風に 心清めて 花の庭 夢の散りぬる 時をこそ思え

(大伴ヤキモチ)

 

注1)時=土岐(明智氏は源氏である土岐氏の一族)、雨が下=天が下(つまり天下)と読み替えて本能寺の変を起こして天下を取る野心を詠んだと言われますがどうなんでしょうね。叛乱の前にこんな形で本心を開陳するのはあまりにも不用意なような。

注2)4月の古い呼び方です。「皐月」は5月になります。

注3)鶴舞公園の「鶴舞」は「つるまい」ではなく「つるま」と読みます。「つる」は「水流(つる)」で小川のこと。「つるま」は小川の淀みのことだそうですよ。確かに鶴舞公園には竜ヶ池と言う大きな池がありますね。

注4)桑名は関西弁の言語圏の東端ですが、文化的には名古屋の影響が強いですね。

 

本多忠勝さん。こんな兜では頚がもげそうな。 

爛漫の桜がうまく撮れていませんね。 

お堀と桜。私が子供頃は街なかに外堀がありました。

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