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蕗の薹(ふきのとう)

蕗の薹(ふきのとう)

2024年2月18日

今年の冬は暖かかったですね。

今年は雪が積もることもなく雪掻きせずにすみました。地球温暖化が叫ばれて久しいですが、確かに年々暖かくなって来てる感じはしますね。

そうは言ってもやっぱり冬は寒いもので、春が待ち遠しいです。

 

2月になりますと少し陽射しが力強くなって、まさに新春という感じになりますね。現在の日本は太陽暦で動いていますからお正月は真冬になりますが、明治時代以前に使われていた暦は太陰暦と言って月の満ち欠けを主体に決められていました。一般に旧暦と言われているのがこれですね。その旧暦でのお正月は1月末から2月中旬の辺りになるんですが、月が満ち欠けして、欠け切って月の見えなくなった夜、すなわち朔(さく)の日を1日としますので、太陽暦に重ねると毎年正月の日が変わります。2024年は2月10日が旧暦でのお正月だったようです。

火鉢程度しか暖房器具がなく、ガラスがないため採光と防寒と言う矛盾が解決できていなかった昔々は冬の寒さを凌ぐのは大変だった訳で、そんな寒さの中、少し陽射しが強くなって来たなと感じ始めた頃にお正月が来る訳です。そう思うと新春とか頌春とか迎春とか、ちょっと大仰に「春」を祝う気持ちも分かりますよね。

夏生まれの夏好きで暑ければ暑いほど元気になる私は、逆に冬の寒さが大の苦手なのですが、この頃の凛とした寒気の中、柔らかな陽射しに梅の花がほころび始めると言った風情は大好きです。日本の最も美しい季節の一つかなと思っています。

 

そんな待ち遠しい春ですから、春を寿ぐ風物詩は梅に限らずたくさんある訳ですが、そんな風物詩のひとつにフキノトウがあります。先日行きつけの天ぷら屋さんで舌鼓を打っておりましたらフキノトウが出て来まして、あー春だなぁと思いました。

フキノトウの「トウ」は「薹」と言う難しい漢字です(注1)が、歳をとって初々しさがなくなった感じを表すのに「トウがたつ」と言う言い回しがありますでしょ。その「トウ」ですね。花の芽のことです。

フキノトウは育ってしまうと固くなって食用にならなくなるんだそうで、これを「薹が立つ」と表現したんですね。芽の成長は早いですから旬は短めです。ですから食べられる時期は結構限られていて、いい時期に行けてよかったです。

ただまあ、このほろ苦いこの味わいを美味しいと思えるにはそれなりの人生経験が必要でしょうね。

 

生成AIをはじめとしたコンピューターテクノロジーの進歩で何事もデジタルに理解される時代ではありますが、生きると言うことは不条理満載のアナログなものであって、人生何が正解かなんて誰にも分かりませんからね。

少年老いやすく学なり難しとは言いますが、人生とフキノトウの苦味を楽しめるようになった分だけ薹が立つのもまた良きかなってことですかね。

そう言うことにしときましょう。

 

♪ 生きゆくは ほろ苦しとて 蕗の薹(ふきのとう) 揚げて食わまし 嫌も辛きも

(大伴ヤキモチ)

 

注1)フキは「蕗」です。

 

揚げる前。 

揚げた後。美味(^^)

 

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