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白野原

白野原

2023年2月19日

いや〜、ようやく尻の痛みが引いてきました。

 

少し前、1月の末頃に雪が積もったことがありましたでしょ。この朝に雪掻きをしていてすってんころりんしてしまいました。

前日の夜から霙(みぞれ)混じりの雨で、夜が更けるにつれてだんだん白くなってきたような気もしなくはなかったんですが、ちょっと油断してしまいました。

で、朝起きたら「おおっ!」と雪景色になっていました。

 

こりゃいかんって事で慌てて出勤して来たところ、やっぱり駐車場は雪の原。道具を持ち出して雪掻きを始めました。

雪掻きをするたびに、子供の頃に見た大河ドラマで見た赤穂(兵庫県赤穂市)塩田開発のシーンを思い出すんですよね。塩が積み上げられて雪山のようになっていて、「なんだろうあれは?」と不思議に思いました。今でも赤穂の天然塩は有名ですよね。

赤穂と言えば「忠臣蔵」の赤穂浪士の仇討ちが有名ですが、仇討ちした側は浅野長矩さん(注1)、仇討ちされた側は吉良義央さん(注2)と言います。「吉良氏」は足利一門の名族で、三河地方の地名(西尾市吉良町)に由来します。ここもまた塩田による塩作りが盛んなところですから、製塩業者として老舗の吉良さんが、新興の赤穂の浅野さんにより経営的な圧迫を受けていて、それを吉良さんが政治的立場を利用して押さえつけようとした…つまり今で言えば経済競争に政治権力が介入した…と言う背景があったのでは?と思っています。

生命は海で生まれ、血液と言う持ち運びできる「海」を持つことによって陸に上がって来た訳ですから、世界最古の調味料は塩であったと想定される訳で、とすると既に極度に完成された調味料である「塩」にこれ以上の付加価値の追加や差別化をするのは難しいです。付加価値の追加が難しく差別化ができないとすれば、先発企業の試行錯誤を糧にできる後発企業が有利なのは今の昔も変わりません。まあ、要するにジェネリック天然塩ですよね。

 

とまあ、そんなことをぼーっと考えながら雪かきしていましたら。「おっ!」と思った瞬間、視界が白い雪の原からパッと空に入れ替わり、ガツーンと地面がお尻に噛み付きました。

その日の朝は慌てて出て来たもんですから、雪用の靴じゃなくていつもの革靴(注3)を履いて来てしまい、見事に尻餅です。前日の霙が雪の下で凍ってツルツルの状態になってたんですね。死ぬほど痛かったです。

しばらくの間お尻がジーンと痛かったんですがようやく全快しました。近頃は打撲の回復に時間がかかりますね。歳は取りたくないものです。

 

それにしても、何とか治らんもんですかねぇ。何をしていてもムクムクと湧いてくる私の愚考癖…

 

♪ 大杓子 雪ぞ掻きたる 白野原 浜の塩なれば 金となるものを

(大伴ヤキモチ)

 

注1)浅野長矩(ながのり)さん。官職が内匠頭(たくみのかみ)だったので、浅野内匠頭として有名ですね。

注2)吉良義央(よしひさ)さん。同じく官職が上野介(こうずけのすけ)だったので、吉良上野介として有名です。

注3)2021.5.25付「五月雨の」の項もご参照ください。

 

雪が凍って本当に「地固まる」でした。

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