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乙女なれかし

乙女なれかし

2021年11月14日

だんだん日が短くなってきましたね。

冬至が12月なので日の短さで言えば11月は真冬の1月と同じで日が短いのもなるほど道理な訳ですね。夕方の診察の頃には早々と日が落ちてしまい「秋の日は釣瓶(つるべ)落とし」とはよく言ったもんだなぁと昔の人々の感性には感心させられます。

 

当院は開業医ではありますが、脳神経系の疾患を診察する専門的なクリニックでもあります。神経系の疾患は症状を客観的に把握するのに時間をかける必要があり、診察が時間外に及ぶことが避け難いところがあります。このため夕方の診察は18時まで(初診の方の受付は17時30分まで)と比較的早めに設定しています(注1)。医療と言う業界はどうしても女性の力に頼るところが多く、当院のスタッフも女性がほとんどですが、昨今の男女平等の気運は目覚ましいものがあるものの、それでも未だ女性が家事を担う率が高いのが残念ながら現実であって(注2)、当院の業務を終えた後に家族のためにもうひと頑張り奮闘するスタッフのために出来るだけ早い時間に帰してあげたいと考えるのは雇用者としては当然の責務と言えます。で、雇用者としての自分と医療者としての自分との板挟みに胃の痛くなる日々となる訳です。

 

さてそこで。

せめてもの罪滅ぼしにと置き型のお惣菜を導入しました。真空パックになっていてレンジでチンして使うヤツです。本来はスタッフの昼食のための導入なのですが、夕飯の準備をする気が起こらない時には持って帰って家で使ってもらってもOKってことで。月に1回クール便で配達してもらい、もし余ったら私が昼食でいただきまーす!と思っていたのですが、予想以上に好評で、半月ほどで無くなってしまいました。

自分の打った企画が好評なのは嬉しい話ではあるんですが、これが如実に示していることは、やっぱり主婦って大変だってことですよね。

「素人は戦術を語り、玄人は兵站(注3)を語る」と言いますが、浮世と言う戦場に家族を送り出すために奥さまお母さまはどれほど頑張っていることかって話です。スタッフたちがウチのクリニックで働いてもらうことが少しでも幸せであればなぁと思う次第です。

 

え? 私ですか?

私は浮世を漕ぎ渡るのも何もするのも自給自足ですよ〜v(^^)v

 

♪ 母なりし 妻にもありし 君愛し 乙女なれかし 今の玉響(注4)

(大伴ヤキモチ)

 

注1)先日、受付終了時刻を大幅に遅れて来院され、「こっちは患者だ!診ろ!!」と怒鳴られて困った事件があったんです。スタッフにも生活があるんですからいくらなんでもそれは無理ですよね。

注2)私は母親が総合職勤務(私の年代では比較的珍しいかと)でしたので家庭を持つ女性が社会で働いていくことがいかに大変なことかと肌身に染みて知っていると言うお話であって差別的な意図はありません。

注3)「へいたん」と読みます。軍が軍事行動をするための補給線のことです。

注4)「たまゆら」と読みます。「ほんの束の間」と言った意味です。

 

2週間ほどで空になってしまいました。

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