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甘き誘いに

甘き誘いに

2021年8月25日

先日、清水(きよみず)の舞台から飛び降りてしまいました。

エキサイキイ病院に手術のお手伝い向かう途中、何の気なしにスガキヤで昼食をいただいたんですが、ふと目にした射干玉の(注1)黒髪に純白の冠を戴いたシンプルにして美しい姿に心を撃ち抜かれてしまい、甘い誘惑に負けてしまいました。

誰?と言えば、スガキヤのクリームぜんざいちゃんです。

私は「自分にご褒美〜!」的な感覚が全く理解できない貧乏性かつ無粋な人間で、240円と言う大金を自分一個の快楽ためにだけに使うなんてことは自分本来的にはあり得ない話なんですが、ついつい財布の紐が緩んでしまいました。こう言う自分に対する甘さを抑えられなくなって来ているのは歳のせい(注2)ですかね、やっぱり。

 

東海地区で生まれ育った人間にとって、スガキヤのラーメンをいくらの頃から知っているか?と言うのは人生経験のバロメーターの1つだと思っています。私は最安140円を覚えていますが、一番利用したのは高校生の頃の210円の時代ですね。その頃クリームぜんざいは150円くらいだったような気がするのですが、何しろ貧乏育ちで、毎月のお小遣いで参考書や問題集、模試の費用などを捻出せねばならない私には到底手が届くシロモノではなく、あまり覚えていません。クリームぜんざいさまは上達部・殿上人のご子息さま方がお召し上がりになる黒いダイヤだと思ってましたね。

が、まあ、齢50も過ぎますと、さすがにそれぐらいは…と思って、清水の舞台から飛び降りるつもりで「えいやっ!」と頼んだが運の尽き、なんと240円なり〜。うーむ、これは贅沢しすぎたわいとかなり後悔したのですが、トレーに載せられた美しい御影を見せられますと、これほどに甘く魅力的な彼女を独り占めできるのならと納得した次第です。

 

小豆(あずき)は大納言とも別称されますが、これは本来小豆一般のことを指すのではなく、煮炊きしても皮が破れない高級小豆を指す名称です。平安時代、大納言以上の位を持つ上級貴族はどんなに重い罪を犯しても死刑は適用されなかったんだそうで、そこで「腹を切らない」豆って事で大納言と呼ばれ、江戸時代に尾張藩のお殿様のご身分が大納言であったことから尾張といえば大納言小豆と言うイメージになったそうですよ。それはともかくとしても、名古屋人って小倉トーストに代表されるようにあんこが大好きですよね。

 

さて、そんな訳でひさーしぶりにクリームぜんざいを頂きましたが、相も変わらず大変美味でした。

が、せっかく落とした体重は(注3)… 、しばらく測らないことにしようかな…と。

 

♪ 良き豆は 腹切らずとて 大納言 甘き誘いに 我腹の出づ

(大伴ヤキモチ)

 

注1)「ぬばたまの」と読みます。「黒」にまつわる言葉(夜、闇、髪など)の枕詞です。

注2)先日誕生日を迎え52歳となりました。そろそろこの辺りで止まって欲しいものです。

注3)2021.7.21付「痩せる想いは」の項もご参照ください。

 

ラーメンも+100円で肉入りにしてしまいました。一生の不覚です。

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