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人と人

人と人

2020年5月20日

緊急事態宣言もようやく解除され(注1)、初夏の陽射しとともに少し明るい兆しが見えてきましたね。

 

まだまだ油断大敵ではありますが、明るい兆しをわざわざ暗く考えることもないと思います。例えば高血圧や高脂血症の方の場合、いったんお薬を飲んで良くなっても止めればまたすぐに元に戻っちゃいますが、だからと言って暗くなる必要は全くなく、至適な値が保てる範囲でお薬を続けて飲んでもらえば良いだけのことであって、何はともあれ数字が良くなると言うことはとても良いことですから。新型コロナウイルスでもお話は同じで、今の外出自粛が効果を上げているとすれば、効果が維持できる範囲で活動すれば良いわけです。その範囲をどう判断するかは手探りになりますから次の一手を慎重に考えてゆく必要はあるでしょうけれど、今日の日があって明日があるわけですから、まずは今日は今日として素直に喜んでもいいんじゃないかなと思いますね。

 

さて、明日のための慎重な一手の一環として、先日から当院の受付に透明な衝立が登場しました。最近スーパーなどでよく見かけますよね。

いつの間にか文化としてなくなってしまいましたが、その昔、病院の受付ってガラス張りのブースのようになっていて、現金の受け渡しができる小さな窓が空いているって感じが普通だった様に思います。その目的はやっぱり感染の予防だったろうと思われますね。

 

昔、阪神淡路大震災の際に神戸に応援に行った先輩医師が「医療従事者は何があっても最後まで死んではいかんなぁ助けられる人が助けられんくなるでなぁ」と言っていたことがありました。ヨーロッパやアメリカの状況を鑑みますとそれは全くその通りであって、医者の無養生では済まされないお話ですから、透明な衝立によるガードは発想としてよくわかるのですが、当院の受付の構造上業務に差し障りのないように設置するのが難しいため検討はしたものの保留のままになっていました。

そこに先日、いつもお世話になっている医療機器の業者さんが「それではスタッフの子たちが心細かろう」ってことで、当院の受付に設置できるように工夫してわざわざ持ってきて下さいました。

いや〜、親心が身にしみました。本当にありがとうございます。

 

新型コロナの蔓延以降、暗い世の中が続きますが、暗い世の中になったからこそ、便利さと言う強い光にかき消されていた人と人との生のつながりと言うほんのりした光が、暗闇の中でぽっと見えるようになったと言う感じがします。

風評被害だの自粛警察だのと人と言う生き物の嫌な部分も目立ちますが、それでもやっぱり人の世と言うものは捨てたもんじゃないですね。

 

頼らるるは 電子にあらで 人と人 絆は光る 暗き世にこそ

(大伴ヤキモチ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(注1)愛知県独自の非常事態宣言は続いておりますが、まずは国からの指示が第一義ですから。

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