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門出祝いて

門出祝いて

2019年2月11日

後輩が開業するってことで、先日内覧会に行ってきました。

院長は三重県出身の同郷で名古屋大学の同窓、そして初期研修時代の後輩です。初期研修の病院は死ぬほど忙しかったので、そこを共に生き抜いた仲間でもあります。比喩的な表現じゃないですよ。なにしろワークライフバランスだの働き方改革だの言う言葉が微塵もなかった時代です。文字通り「死ぬほど」を「生き抜いた」んです。動物と言うものは「このままだと死ぬ」と言う環境だと否応無く進化する訳で、医療的にも日常的にもいろんな技術が身につきました。どんなに他の仕事に集中していても不整脈の音に気づく…とか、どんな騒音の中でも医療機器のアラームは聞き分けられる…とか、「何時に起きる」と決めると目覚まし時計がなくてもその10分前に目覚める…とか、「ピーピーピー」と言う電子音を聞くと反射的にベルトに手が行く(ポケベルはベルトに付けるんです)…とか、夜中の2時に帰っても「今日は4時間も眠れる!ラッキー!」と思える…とか、いろいろです。いや〜、ツラかったなぁ〜。人間あまりにも忙しいと腹が立たなくなるんですよ。腹を立ててる時間と体力がもったいないんで。
まあ、その頃があっての今の自分ではあり、感謝…と言うにはちょっと複雑な心境ですが、若い頃の苦労は買ってでもしろって言いますから、お給料もらって苦労をさせてもらってよかったんでしょうね。たぶん…

さて。
そんな後輩のクリニックは名古屋市緑区にあります。緑区といえば昔は愛知郡鳴海町で、さらに昔は東海道鳴海宿です。歌川(安藤)広重の浮世絵にもありますね。鳴海宿の前の宿場は池鯉鮒宿(今の知立)、次は熱田さんの宮宿です。東海道の本筋は熱田宮宿から「七里の渡し」を使って私の地元である桑名になりますが、船旅を嫌う人は陸路で脇街道を通りました。それが佐屋街道で、尾頭橋から岩塚・万場宿を経て七宝を抜け神守宿、佐屋宿から川下りして桑名に至るルートになります。緑区といえば海部津島地区から見ると名古屋を挟んで向こう側ですからかなり縁遠い感じはしますが、こう考えると我らが海部津島地区と昔から繋がっている土地柄ではあります。とは言うものの、緑区にあまり用はないですから、私も足を踏み入れるのは学生時代以来でした。クリニックの場所は私の昔の記憶では何にもない丘陵地帯だったんですが、ヒルズウォークと言うオシャレなショッピングモールがそびえ立っていて、あまりの変わりように完全に土地勘を失い浦島太郎状態に陥りました。かなりウロウロしたのですが、なんとか内覧会が終わるまでにたどり着いてホッとしました。
参加賞でいただいたペットボトルのお茶から煙が出てきたらどうしようかと思いましたが、普通にお茶でホッとしました。煙はなくても髪がすっかり白くなった私に彼は驚いたとは思いますが。
今後のますます活躍を期待しています。
折からの寒波で空気は冷たかったですが、いい天気でよかったですね〜

♪若人の 門出祝いて 如月の 光は満つる 瑞穂の丘に
(大伴ヤキモチ)


院長の伊藤先生と。私は「もとかずくん」と呼びます。
許可を得て掲載しています。

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