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光る矢羽は

光る矢羽は

2018年8月19日

最近、24年ぶりに再開した弓道に少しハマっています。

「弓は立禅」なんて言われ、無心の境地を目指すモンらしいんです。でも、「的」と言う物質的な目標に「的中」という物理的な現象を目指す「行射」と言う具体的な行為に「無心」と言う形而上の理念が付帯しうるのか?とも思いますし、無の境地を目指すのが目的なら別に道具も行為も要らないんじゃないかって気もしちゃいますので、この辺の達人の境地は僕にはよく分かりません。ただ、ある目的に対して、自分の知識と技術を一点突破的に集約・集中する…と言う精神作業は手術を執刀している時の感覚に近いものを感じます。
まあ、手術に外れは許されませんが、弓道なら外しても「ざんねーん!」と叫ばれるだけですからもちろん比較にはなりませんけれど、メスを置いた身には良い精神修養だと思ってます。
あ、でも、今でも時々手術のお手伝いには行ってますよ。そこはやっぱり外科医ですもん。

さて、弓道とは…と言い出すと七面倒な話になっちゃうんですが、やってることは要するに弓を用いて的に向かって矢を射ることです。
先日新しい矢を入手しまして、少し嬉しいです。

これまで使っていた矢は、学生時代に弓道部に入部してすぐに購ったもので、なんと昭和63年です。昭和64年がすなわち平成元年ですので実に30年のビンテージものと言うことになります。
まだマトモに矢を飛ばせず、的の前の草むら(矢道:やみちと言います)に突き刺しちゃったり、2つ隣の的に当てちゃったりと随分苦労をかけちゃった矢で、西医大(西日本医学生総合体育大会)や東海医歯薬(東海医科歯科薬科学生体育大会)で個人入賞した時も、学生時代最後の試合で突然当たらなくなり泣けて来た時も、どんな時も共に戦った戦友で、それはそれは思い入れのあるものなのですが、羽が擦り切れあまりにもみすぼらしい姿になってしまったので引退させることにしました。

僕の美意識として、目的以外に装飾はない研ぎ澄まされた美しさ…言う感じが好きなんですよね。羽は矢を回転させるライフリングの機能を持つ部分ですから、その機能を十分に果たすために矢羽はこだわりの黒鷲。それ以外の部分はなんの装飾もなくシンプルに黒です。鷲の羽はワシントン条約には引っかからないものなんだそうです。
我ながら子供っぽいとは思いますが、持ってしまうと早く射ってみたくてうずうずしますね。まあ、矢がどれほど高性能でも、射つ技術が伴わなければ当たらない訳で、その辺は今後の課題です(^^ ;

♪漆黒に 光る矢羽は 黒鷲の 眺めて過ごす 射る日はいつぞ
(大伴ヤキモチ)

的って結構遠いです。

何度もひどい目に合わせたので羽はボロボロ。[/caption]

的って結構遠いです。

 

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