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東風吹きて

東風吹きて

2018年3月18日

先週末に、福岡で行われた脳卒中学会に行かせていただきました。
 

このためしばらく休診とさせていただきました。ご迷惑をおかけし申し訳ありませんでした。
しかし、医学の世界はまさに日進月歩。知識を更新していく努力を怠るとあっという間に時代遅れになってしまいますので、どうしても勉強する機会をいただく必要があります。まあ、そうは言ってもまずは診療ですから、昨年は開院初年と言うことでまずは体制を確立せねばならず学会参加は自粛していたのですが、今年から再び積極的に学会に参加させて頂こうと思っています。このためときおり臨時でお休みを頂きますが、その都度ホームページなどでお知らせいたします。知識を最新の状態に保ち最終的には患者さまのためになるよう努力いたしますのでご海容いただけますようお願い申し上げます。

 

さて、大きな学会になりますと、「この時間は特に聴講するものないなあ~」と言う空白の時間が生まれることがあり、そんな時間を利用して観光を楽しむ…これもまた学会の醍醐味です。そこで今回は少し足を延ばして大宰府に行ってきました。目的はもちろん天満宮です。

このところ急に暖かくなったせいか梅は盛りを過ぎた感じではありましたが、それでも十分にきれいでした。

 

天満宮は菅原道真さんを祭った神社で学問の神様ですよね。道真さんが政治闘争に敗れ太宰府に左遷され、左遷先である大宰府で亡くなられてから次々と京都で不吉な出来事が起こり、それらが道真さんのたたりでは…と言うことで霊を慰めるために作られたとされています。

道真さんが亡くなられたのは西暦903年。政敵だった藤原時平さんが亡くなられたのは909年で6年後です。まあここまでは良いとしても、その後道真さんの政敵だった方がひとりまたひとりと亡くなって行って、清涼殿(当時の国会議事堂)に落雷があり、道真さんを流罪にした張本人の醍醐天皇が亡くなられたのが930年。なんと道真さんが亡くなられてから27年後…道真さんってば、けっこう執念深い方だったんですね。まあ、確かに学問に執念深さは必要なもんではありますが、それにしても27年も持続する恨みってすごいもんですね。

菅原道真さんは平安時代前期の方ですが、理非曲直にこだわるブレない政治家だったという印象で、よく言えば柔軟で現実的、悪く言えば節操のない政治を行う藤原氏とは衝突があったようです。どっちが優れた政治姿勢かというのは難しい所だと思うのですが、少なくとも当時の庶民には圧倒的な人気があったんでしょうね。そうでなければ神様と言うより幽霊や妖怪として扱われちゃうようなお話です。清少納言ちゃんのカレシであったと噂される藤原実方さんも左遷されて左遷先(この方は東北)で亡くなられていますが、あまり同情する人がいなかったのか、入内雀(ニュウナイスズメ)と言う妖怪になって戻ってきたなんて言われてますから。

実際のところ1000年の時を超えてなお学問の神様として敬われ、少年少女たちのお受験を励まし続けていることは立派なことですよね。やはり学問にこだわりと執念は大事ってことなんでしょうね。

梅の香満ちる境内には、お受験のお礼参りか、はたまた早々と来年のお願いにか若人たちがたくさんいらっしゃっていました。

私もお受験の子供たちに負けないよう頑張って勉強せねばと心引き締まる次第であります。

 

♪東風吹きて 匂いおこせし 梅の花 伸び行く子らを 今日も見守る

(大伴ヤキモチ)

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