先日患者さんから素敵なな贈り物をいただきました。パステルカラーの色も優しいスイートピーと金色に光る黄水仙です。
以前もお話ししましたように私はお花が大好きです(注1)。色とりどりに原色ドカンと言う花束も華やかで好きですし、パステルカラーの花束も可愛らしくて良いです。はたまた同じ色を集めたモノトーンの花束もシックで心惹かれます。何しろ私は理系脳の物事を合理的にしか捉えられない人間で(注2)、書画骨董から音楽、お笑いに至るまで、芸術芸能と呼ばれる文化的なものの価値が全く理解できない人間ですので、雪舟さんの水墨画がモノトーンで描かれているにも関わらず却って色鮮やかに見えたり、伊藤若冲さんの描く花鳥風月が生き生きと動いて見えたりすることも、ホモサピエンスの持つ高次脳機能の一つである知覚的補完を利用した巧みな描き方であることは確かであるとしても、その文化的な意味合いではなく、今この絵を眺めている自分の頭の中では二次視覚野から感覚統合の中枢である頭頂葉がフル活動してるんだろうなぁと言う点に感動してしまう質の人間であって、要するに極めて無粋な人間なのですが、色が綺麗と言うことには心惹かれるのか、不思議とシャガールの絵とエルメスのスカーフのデザインは好きなんです。象徴的に表現された絵画、彫刻、音楽などには「はあ?なにこれ?」としか思えず、直接的に脳に響く「色合い」には心惹かれるところに、「めんどくさがり」と言う自分の本質を感じます(^^;
まあ何にしてもお花が好きです。だって綺麗ですもん。
スイートピーはシチリア島が原産で、イギリスの王妃様に愛されてメジャーになっていったんですって。花言葉は「門出」。春の花としてはふさわしい感じですね。日本名ではジャコウエンドウと言うんだそうで、可憐な花に似つかわしくないおどろおどろしい名前な感じがしてしまいしますが、ジャコウ(麝香)は英語で言えばムスク(musk)で、香水の原料の基本となるものです。見た目が可愛らしいのでついついそちらに注目してしまいますが、確かに良い香りがします。
水仙は、水面に映った自分の姿に恋をしたナルキッソスのお話が有名で、花言葉も「自己愛」と芳しくないですが、日本では平安時代に伝わってきた後、冬の寒さに耐えて咲く可憐でかつ凛とした姿は、室町時代に花開いた茶道花道と言ったその当時の新しい世界観ではかなり好まれたそうですよ。確かに部屋の片隅に置かれた一輪挿しの水仙って、ザ・茶室って感じはしますね。
もちろん早速飾らせていただきました。
黄水仙の金色の日に、スイートピーの虹の橋がかかっているように見えてとても素敵でした。
心と心の架け橋ですね〜。
♪ 春の陽を 一手に寄せて 黄水仙 金の花房 今光るかな
♪ 七色に 光る花房 虹の橋 心結びて 春立ちぬ今
(大伴ヤキモチ)
お二方に感謝して、今回は2首(^^)
注1)2020.3.15付「湯のなお熱し」の項もご参照ください。
注2)2019.10.7付「壁の奥にぞ」の項もご参照ください。