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花に雨

花に雨

2022年4月4日

うーん、やっぱり雨でしたね。

と言うのは、この令和4年4月をもって当院は開院5年となりました。その記念すべき月初め…は、やはり雨でした。

思い起こせば5年前、初めて保険診療を開始した2017年4月1日も土砂降りの大雨でした。さらに思い起こせばその数ヶ月前、地鎮祭の日もまた土砂降りの大雨で、参列してくれた関係者の車がまだ整地されていない敷地のぬかるみにスタックして動けなくなり、神主さんにまで手伝ってもらって皆で押して救出したと言う思い出深い地鎮祭でした。

私は、これまでも再三述べております通り筋金入りの雨男であり(注1)、貴賤大小を問わず人生の節目節目にはきっちりと雨に祟られる訳ですが、再三思いがけない苦難に見舞われるけれども、その度に周囲の人の助力でなんとか切り抜けられるという、我が人生の象徴的な日でもありました。

 

古い友人に「『のぞむ』は、波を斬って大海原を駆け巡るヨシキリザメでもなく、海を飛び出し天を翔けるトビウオでもなく、マンボウの様にユラユラの潮の向くまま流されている様に見えて、その実その時に来た一番大きな波に乗る」と評されたことがありますが、うーん、どうなんですかねぇ。私的には「果報は寝て待て」「棚から牡丹餅」「待てば海路の日和あり」の生き方3原則を熱く胸に秘め、海を駆け天を翔けるトビウオ型ヨシキリザメのつもりなんですがねぇ… ただ、人として標準的な能力を持つ方から見るとマンボウに見えるだけの話であって(^^;

 

あ、ちなみにですが、私の名は正式には「のぞむ」なんです。待合に飾ってある私の論文を見て、名大理学部大学院生の青年に「なぜ英語表記だと『Nozomu』と綴るのか?」と尋ねられて返事に窮したことがあります。実は、子供の頃から「のぞみ」「のぞむ」のどちらでも呼ばれていたので、名前というのは漢字で規定されていて、読みはどうでも良いのかと思っていました。小学校高学年になって読みが規定されているのを知った時は結構衝撃でしたね。

 

しかしまあ、これだけ人生の節目節目に雨に祟られますと、雨が降ったら降ったでそれを初期条件として行動すると言う感性が身に付きます。身に起こった不幸に立ち向かわず、「まあそれはそれで…」と飲み込んでしまうこう言った感性を「学習性無力感」と言いますが、一般的に言えばあまり好ましい感性ではないとされています。まあ、それはそうなんでしょうけれど、私に関して言えば、それはそれで自分らしくて良いかなぁと思っています。例えば「親ガチャ」なんて言葉がありますが、そんなどうにもならんことを呪ったってショーガナイ訳であって。

 

桜の花も雨に打たれてなんだか寂しげですが、もうちょっと楽しめそうですね。クリニックと共にある私の残りの人生も、細々とではあっても、もう少し花を保てるよう祈るばかりの春の雨です。

 

♪ 五年(いつとせ)の 歩みなるかな 花に雨 楽しくやある 苦しくやある

(大伴ヤキモチ)

 

注1)2020年3月15日付 「湯のなお熱し」の項もご参照ください。

 

英語論文6+日本語論文3。市中病院の一般臨床医としては頑張ったほうかと(^^) 

雨の桜もまた良き哉。 

赤ワインで一人祝杯。

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