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「深き味知る」

「深き味知る」

new 2025年10月19日

今となっては遠い昔の様な気がしてしまいますが、新型コロナウイルスによるパンデミックが始まったのは2020年。感染対策のために撤去した待合の雑誌を今月から復活させまして、これと同時にリハビリ室の本棚に漫画本を置くことにしました。

これ、実は開院当初からやりたかったことなんですよね。

 

当院のリハビリ室には入ってすぐのところに本棚がありますが、これは開院する際、インテリア兼待ち時間の暇つぶしになるようにここに漫画本を並べて…と思って作りつけたものなんです。開院当初の慌ただしさにかまけて活用できないまま新型コロナの時代を迎えることになり、計画が頓挫していました。

で、そのコロナ禍も歴史の1ページとなった今、計画を再開することにしてみました。

 

いやしくも高等教育を受けた身としてはちょっと恥ずかしいんですが、私は読書もすることはするものの、読書自体を楽しむと言う感覚は全くないんですよね。私に取っての読書とは、趣味の1つである「雑学集め」のネタ元として文字情報を活用している…と言う意味合いでしかないんです。雑学とは言え「学」であるからには信頼できるソースでなければ嫌なんですが、ネット情報では「ホント?」と裏をとるのが結構大変なんですよね。その点、書物であれば既に編集部によって査読され、ある程度のファクトチェックはされているであろうと思われるので断然楽なんです。

それはまあいいんですが、その弊害として私は創作小説が読めないんです。小説は書かれている内容のどこまでが実際に即した話で、どこからがファンタジーやSFに属する虚構の話だか分かりにくくて、頭の中の雑学体系に虚構というコンピューターウイルスが紛れ込むような感じがしちゃうんですよね。歴史小説は遠い過去の話で、そもそも「歴史」なんて現在持っている資料から類推された虚構ですからまだ受け入れられますし、スペースオペラの様な未来を舞台にしたSFは絶対虚構だと分かるのでいいんですけど、現代を舞台にした小説はダメなんですよね。

 

でもですね。

実用書は形而下を高めるための読みもの、教養書は形而上を高めるための読みものって感じでちょっとお堅い感じがありますでしょ。その点、小説は今の自分を外へ連れ出してくれる心のピクニックみたいなところがあって、やっぱりあった方が心が豊かになります。で、私の場合はそれが漫画なんです。漫画なら「基本的に虚構」と思って読むことができますからね。場面場面の絵が描いてくれてあるので頭を働かせる必要もなく気楽でいいです。どうせピクニックなら手ぶらが一番でしょ。

ってなわけで私は漫画好きで、お気に入りの蔵書の一部を並べてみました。結構壮観です。

 

今読み返すと、若い頃は嫌いだったキャラの行動原理が理解できる様になってたりもして、新しい発見がありますね。願わくば、その視点の差は「成長」と呼べるものであって欲しいところです。

 

私的には眺めてるだけでも癒されます。

自動血圧計の傍にありますから、院長の青春のカケラをぜひ眺めてやってください。

 

♪老いて令和 深き味知る この漫画 昭和平成 我若くして

 

漫画に限らず、本ってインテリアとしてもいいですよね

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