先日、回転寿司に行ってきました。 いつも大変な行列なので敬遠してたんですが、たまたま昼間に時間が空いたので(注1)。学生時代にはみんなでスキーの帰りに…とかで時々行ったのですが、結構久しぶりでした。
まず面食らったのは回転寿司が回転していないことで、これはちょっと衝撃でした。タッチパネルで注文して品物がレーンを滑って手元に来ると言う形の機器を「オートウェイター」と言うらしいんですが、これが回転寿司に広まったのは2023年のことだそうです。この年はある高校生が醤油差しの口を舐めてそのまま戻すと言う不潔行為を動画でupしたと言う、いわゆるスシローペロペロ事件が起こった年です。眉を顰(ひそ)めざるを得ない話ではあるんですが、その後この少年は高校を退学するところまでいっちゃったようで、後先考えないアンポンタン(注2)の少年が面白半分でやった事件に対して、そこまで追い詰める必要ある?と思ってしまいました。聖書に、不義密通の罪を犯した女性にみんなで石を投げていたところ、イエスキリストが「罪無きもののみ石を投げよ」と言ったと言う話があるんです。誰かの罪を見つけると挙(こぞ)って叩きたくなるのはヒトと言うサルの業(ごう)ではありますが、それでも当時の人たちはキリストに諭されて石を投げるのをやめたわけですから、今の日本人よりよほど理性的ですよね。日本人は、ということなのか、人というものは、ということなのかは分かりませんが、若干退化してるような気がしないでもないですね。
ともかくも回転してない回転寿司です。
最安の皿が130円とお値段が高くなっていたのは少し残念でした。まあ昨今の物価高を考えればそこはやむを得ないかとは思いますが、生(なま)物であるマグロやイカと、生物ではないコーンの軍艦巻が同じ130円なのはちょっとどうよと思ってしまいました。私はコーン巻が大好きで、学生時代はコーン巻ばっかり食べてましたが、お値段が安いことも大きな魅力だったんですよね。それがいまやマグロやイカと同列です。「Brutus, you too!(ブルータス、お前もか!)(注3)」と叫びたくなってしまいました。
タッチパネル形式の「オートウェイター」はとても便利ですね。でもねぇ…
昔は色とりどりの寿司が目の前を回っているとしても、何かを選んでこちらから取りに行かないと1つも口に入らなかったですよね。回ってくるのを待ってるうちに前の人に取られちゃったりもしますし。それって人生の縮図のような気がしません?
ポチっと押したらあとは自動的に運ばれてくる海の幸に今どきの世相を感じてしまいましたな。
♪ 海の幸 載せてこの寿司 腹の幸 己で取るや ただ来る待つや
(大伴ヤキモチ)
注1)お手伝いに行く予定だった手術が突然中止になりまして。
注2)「間抜け」「アホ」と言った意味にほんの少し愛情を込めて言う言葉ですが、元々は死者を蘇らせると言う伝説の薬「反魂丹」のパロディなんだそうですよ。
注3)ローマ帝国の独裁的な執政官ユリウスカエサルが親友ブルータスにまで裏切られ、暗殺された時に叫んだセリフと言われていますね。

130円に出世したコーン巻き。コーンの黄色が金色にも見えましたな。