明けましておめでとうございます。みなさんこのお正月はいかがお過ごしでしたか?
私は、今年は休日当番に当たらず当直も頼まれずでのんびりした正月となりました。で、急に思い立って富士山&サクラエビツアーに行ってきました。
目的地は駿河湾沿いの由比(注1)です。由比は東海道五十三次の16番目の宿場町です。
「東海道」は江戸時代に京都と江戸を結ぶ街道で、現在の国道1号線の元になった幹線道路です。私の生まれ育った桑名は東海道の42番目の宿場町で街中に国道1号線が走っています。子供の頃、「これをずーっと東に歩いて行ったら東京に行きつくのか!」と憧れを抱きつつ眺めていましたので、「よし!それやってみよう!」ってことで、ずーっと1号線を進んで下道で行ってみることにしました。朝早くに出てのんびりドライブです(注2)。
1号線の元になったのは東海道とは言うものの、1号線がそのまま東海道であるわけではありません。それでも緑区(鳴海)を超えたら知立(池鯉鮒)ですし、岡崎、豊橋(吉田)、浜松はもちろん、袋井、掛川、金谷、嶋田、藤枝、岡部、丸子(まりこ)と旧宿場町の地名が次々と現れて歴史オタクの血が沸きました。
由比の周辺の海は古くは「田子の浦」と呼ばれていました。百人一首の「田子の浦にうち出でてみれば白妙の富士の高嶺に雪は降りつつ(注3)」の田子の浦ですね。ですから、本来であれば美しく富士山が見える…はずだったんですが、近づくにつれて雲行きが怪しくなってきまして、由比に着いた時に時折小雨がパラつく日和になってしまいました(注4)。そう。つまり富士山は見えませんでした。
サクラエビ御膳に舌鼓を打ちつつ由比に一泊し、久能山東照宮で初詣をしてきました。戦国時代を終わらせた東照大権現さま(注5)をお祭りした神社ですので、なんだかご利益がありそうな気がして縁起物として鏑矢を買ってみました。
日本平から見下ろす駿河湾と静岡の街並みは素晴らしかったですし、三保の松原から見る田子の浦は実に美しかったですが、でもやっぱり富士山は見えませんでした。
富士山は、天照大神のお孫さんで天孫降臨で地上に降りてきた瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)が地上界で一目惚れして迎えたお嫁さん・木花咲耶姫(このはなさくやひめ)の化身と言われています。絶世の美女だったようで、まあ冴えんオジサンにはそうそう簡単に姿を見せてはくれませんわね。
まあでも、のんびりしたいい正月でした。
今年もいいことありそうな。
♪ 初春の かき揚げ旨し 桜海老 富士は見えねど 花より団子
(大伴ヤキモチ)
注1)鎌倉の「由比ヶ浜」とは別の場所です。
注2)さすがに歩いては行けませんから。
注3)山部赤人。元々は万葉集の歌で「田子の浦ゆうち出でてみれば真白にそ富士の高嶺に雪は降りける」です。好みは色々だと思いますが私はこっちの方が好きです。
注4)2020.3.15付「湯のなお熱し」の項もご参照ください。そろそろ雨男を脱却したいものです。
注5)徳川家康さんの神様としての名前(神号)です。