9月に入ったと言うのに暑い日が続きますが、ようやく朝晩は少し過ごしやすくなってきたような、そうでもないような。でも、先日少し贅沢して行きつけの天麩羅屋さんに行ったら栗の天麩羅が出てきまして、そうは言っても世の中は秋になってきたんだなぁと感じました。
地球温暖化が叫ばれて久しいですが、気候変動の原因が火山であれ、太陽の黒点であれ、はたまた人の経済活動であれ、生物は外部環境の変化(注1)に適合して生きていくのだし、それができないと生存競争に負けて滅んでしまう訳で、こう言った栄枯盛衰が生物の多様性を生み出してきた訳です。生物の進化を唱えたダーウィンさんは「生き残るものは強いものでも賢いものでもなく、変化できたものである」とおっしゃったんですが、昨今の生成AIの台頭を見るとこれから人の世も劇的な変化が起こる気がしますね。まさか滅びはしないと思いますが。
私は強くも賢くもなく、さりとて変化するのも煩わしく、何の信念もないまま流されるままに生きているのですが、それでも人生において外せないものがいくつかあり(注2)、インスタントラーメンもその一つです(注3)。
インスタントラーメンは日清食品の創業者である安藤百福博士によって編み出された(注4)ことはよく知られていますが、基本構造としてお湯を注ぐだけ型のものと、鍋で茹でて作る型のものに大別されるように思います。私の愛するインスタントラーメンは鍋茹で型のもので、学生の頃に編み出した我流卵とじラーメンにするのが常です。
作り方は、①指定の茹で時間の2/3くらいのところでトロ火にする②卵を割り入れ箸で溶く③トロ火のまま粉末スープを入れる④刻みネギと胡椒をドカッっと入れる⑤一瞬強火にしてひと煮立ちさせて完成
別になんと言うことはなく、普通に卵とじのインスタントラーメンを作るだけなんですが、野菜をいろいろ入れるのと味が薄くなるのでネギオンリーとするのと、大量に胡椒を入れてからひと煮立ちすると辛味が少しマイルドになって含み香が楽しめるがミソです。いろいろ試しましたが醤油ラーメンが一番合うと思っています。
インスタントラーメンも最近は少しお値段お高めですね。この頃は同じ手間で出来るだけ儲けるためにゴテゴテと余計な付加価値をつけて高く売ろうとする傾向にありますが、顧客のニーズがマーケティングの基本なのですから、余計なものをくっつけて高く売りつけるのはあまり良い姿勢では無いような気がします。シンプルなインスタント醤油ラーメンは細く長く生き残ってもらいたいものです。麺だけに。
♪ 生き行くは 斯くぞありたき 汁溶けば 細く長くに 旨味絡みて
(大伴ヤキモチ)
注1)生態学で「撹乱」と言います。これがなければ強者は常に強者であり続ける訳で、それはそれであまり好ましく無い気はします。
注2)2022.6.23付「甘き酸き乳」のマミーや2023.8.20付「夏来れば」の餃子もそうですね。
注3)「ラーメン」ではなく「インスタントラーメン」です。外食産業の花形である上級ラーメンには全く興味がありません。
注4)諸説あるようですけどね。