お盆も越えたと言うのに暑い日が続きますね。

先日、近くの中華のチェーン店に餃子を食べに行ってきました。この夏にまた誕生日を迎えましたのでそのお祝いに。

イエス・キリストの誕生日がクリスマスとして祝われるのはよく知られていますが、個人の誕生日を祝う風習の起源はよく分かっていないようです。まあ、偉い人の誕生日を祝うのであれば、同じ方向性で自分にとって大切な人の誕生日を祝うのはごく自然な感情のような気はしますから、そんなことはわざわざ記録されないんでしょうね。会ったこともない遠い昔の偉い人より今目の前にいる好きな人の方が大切に決まってますもんね。

でもまあ、私に関していえば誰が祝ってくれることもないですから、一人お祝いに行ってきたと言う訳です。

私は何が食べたいかと尋ねられれば、迷わず「餃子！」と言うくらい餃子が好きなんです。

初めて勤務した病院の近くに餃子専門店があり、よく食べに行ったもんです。もちろん餃子の街として有名な宇都宮も浜松も押さえてます（注1）が、私はこのチェーン店の餃子が日本一ではないかと思っています。値段も手頃ですし（注2）。

餃子と言えばもちろん中華料理ですが、中国の餃子と日本の餃子は少し感じが違うんだそうで、中国の餃子は皮が分厚くて主食として食べられるものらしいんです。確かに、日本でも高級中華飯店で出てくる餃子の皮は求肥（注3）並みに分厚い気がします。日本の餃子は皮が極限まで薄く、油で香ばしく焼き揚げる形ですよね。昔、このチェーン店が本場中国に進出したものの、一番の売りであった餃子が現地で受け入れられず数年で撤退したことがあったのですが、確かに、福井名産羽二重餅（注4）の求肥が餃子の皮並みにペラペラになっていたとしたら、「なんだこりゃ」って話になると思いますからちょっと難しかったのかも知れませんね。進出当初から、「アメリカの回転寿司屋がクリスピーアボガド巻きとかホットチリサーモンとかだけで日本の回転寿司市場に殴り込むようなもの」と揶揄する向きもあって、撤退と報道された時は「それ見たことか！」的な感じだったんですが、でも私はそれを見て、市場に阿る（注6）ことなく、「この餃子で勝負できなければ止める」と言う揺るぎない餃子愛を感じて感動してしまいました。

そんな訳で餃子とビール。至福のひとときですな。

これ以上望むのもは何もありませんが、一つだけ望みを言わせて頂ければ、これ以上歳を取らないように法律で規制してもらえないもんでしょうかね。

♪夏来れば また一年を 寿がん 熱き餃子と 金のこの泡

注1）総務省の家計調査を基に算出された餃子の街ランキングがありまして、宇都宮・浜松・宮崎が御三家なんです。宮崎はちょっと遠いですなぁ。

注2）そこは餃子ですから、どんなに美味しくても費用対ハピネスを無視した値段設定は許されますまい。

注3）「ぎゅうひ」と読みます。甘いシート状の和菓子です。

注4）上品な甘さで美味しいですよね。

注6）「おもね」る…と読みます。媚びへつらうことです。

熱き餃子と金のこの泡。