先日、私の師匠の1人である名古屋大学医学部の脳神経外科教授(注1)が引退されるので、退館記念パーティーに行ってきました。
引退され「る」と現在形で書きましたが、実際に退官されたのは3年前です。新型コロナの影響で延期に延期を重ね、ようやく先日開催されたというのが実情です。ようやく…とは言うものの、やはりコロナ禍は収まりきってはおりませんので、勤め先の規定などで参加できない面々も多くいた様です。私も「うーん」と思ってしまったのですが、ここはやはり行かねばならないと思い参加しました。私はヘタレののんびり屋(注2)で、ヒトと言うサルの欠点を一身に背負ったホモ・サピエンスですが、神が私に与え給うた唯一の美徳は義理固いことですので、ここで義理を欠いては私が私で無くなると思いまして。
会場はノリタケの森の中にあるフレンチレストランでした。母校である名古屋大学は戦前からある比較的古い大学ですので、こう言った機会がありますと老若取り混ぜてさまざまなの年代の人が集まります。もちろんこう言う時にしかお目にかかれない昔お世話になった年配の先生方に久しぶりにご挨拶できるのもとても嬉しいのですが、なにより会って楽しいのは若き日に同じ釜の飯を食い、共に励んだ同期の連中です。
物事を成し遂げるのにはそれなりの時間がかかることを「桃栗3年柿8年」と言いますが、この後に「柚子の大バカ18年」と言う言葉が続くと言う説があるんです。これを文字って「内科3年外科8年脳外科大バカ18年」なんて言う向きもあるんですが、これは本当にその通りで、脳外科医で10年目くらいではまだ「駆け出し」と言う感じです。そんな脳外科医を目指した「大バカ」仲間にはやはり格別な思いがありますね。
コロナ禍のために学会などもオンライン上の開催がほとんどとなり、実際に身を運んで集う機会はめっきり減ってしまっていますから数年ぶりの再会でしたが、いやー、みんな立派になってましたな。「柚子30年で花盛り」と言った所でしょうか。なんだか自分だけが取り残された様な感じがして心細さを感じてしまいました。
でもまあ、だからと言って若い頃の様な焦りを感じることは無く、それはそれでそれぞれの生き方だと割り切れる所が年の功といえば年の功です。
翌日が医師会から命じられた休日当番でしたので、久しぶりに飲み明かすか〜と言うわけにはいかず、私だけ早めに帰らざるを得なかったのが残念でした。
ちょっとだけ医師会を恨んでしまいました。
話は変わりますが、ノリタケの森っていいとこですね。名駅から歩ける距離にこんな場所があるんですね。
調べてみると2001年にできたんですって。ちょうど同期たちと大学で下働きしてた頃ですね。人にも街にも歴史あり…ですね。
♪冬の夜に 星も弾けて 花と咲く 今を時めく 友に囲まれて
注1)2019.4.7付「師もまた進む」の項もご参照ください。
注2)2022.1.3付「睦月朔」の項もご参照ください