日に日に秋が深まってくる季節ですね。
もう20年以上昔の話になりますが、私が岐阜県中津川市に赴任したのはちょうどこの季節でした。私は三重県桑名市の出身で大学は名古屋でしたから、海に近い所にしか住んだことがなく、どっちを向いても山山山…の中津川はなんだか圧迫感を感じて心細かったです。
そんな中、元気の元になっていたのは焼肉でした。幹線道路である19号線沿いに焼肉のチェーン店があって、時々そこで元気を取り戻していました。
最近、経営者にとっての難題が色々降りかかってきまして、ちょっと元気がなくなってましたので焼肉に行ってきました。今どきは女の子が1人焼肉なんてこともあるようですが、それでも1人ではなかなか行きませんからね。結構久しぶりでした。
翌日の仕事に差し障りがない様にお昼に行ったんですが、店に入るといきなり食べ放題を勧められて面食らいました。お昼から焼肉食べ放題なんて頼む人いるのかなぁと思いつつ普通に単品で頼んで、肉が焼けるのをじっと待っていましたら、高校生と思われる若人の集団がどやどやと店に入ってきました。「ほほー」と思って横目で眺めていたんですが、やいのやいのと大騒ぎしながら、大盛り飯を片手に、オマエら肉食恐竜かっ!っていうほどバクバク肉食ってましたね。
あーなるほど、食べ放題だから〜とは思ったんですが、それでも焼肉となれば500円や600円ではないですからね。高校生で懐具合は大丈夫なのかしらん?
私も高校生の頃、模試で名古屋に出て来た時に同級生とご飯食べて帰るなんてことはありましたから、そう言う感覚なのかなと思いましたが、その頃のバブル最盛期でもラーメンとかお好み焼きとかでしたからね。失われた30年だの日本オワコンだのと言われますが、なんだかんだ言っても豊かになってるんですな。
カール・マルクスさんは、資本主義と言うものは、人を見ればを搾取する、モノを見れば高く売ることばっかり考えるダメダメな社会だわ〜なんてことを言ったんですよね。まあ確かに、山も川も大昔から誰のものでもなくそこにあるのに、朝日を拝もうと山に登れば「入山料」、魚を釣ろうと川辺に座れば「入川料」の時代ではありますよね。もしスナフキンから入川料取ったら二度とムーミン谷には来ないでしょうから、マルクスさんの言わんとする所も分からんでもないんですが、この30余年で高校生同士の昼食がお好み焼きから焼肉食べ放題に格上げされてることを思えば、やっぱり資本主義の勝利と言わざるを得ないんじゃないかなぁと思いますね。
もう一つ昔と違うのはスマホの存在ですね。昔は肉が焼けてくるまでぼーっとして(注1)なきゃいかんかったんですが、今はスマホ片手に至福のひと時です。アミノ酸をしっかり補充すると筋肉の衰えが防げると言うデータもありますから、心と体のケアとして一石二鳥ですね。また時々1人焼肉いこーっと。
♪ 初陣の 歳の頃かな 若人の 集いてはしゃぐ 今の世ぞ良き
(大伴ヤキモチ)
注1)まあ、ただぼーっとしてるのもかなり好きなんですけどね。