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弥生春

弥生春

2022年3月13日

ようやく春めいて来ましたね。だんだん朝日も早くなり、毎朝のMRI調整のための早起きも幾分楽になって来ました。私は、凛とした冬の空気も好きなのですが、根がヘタレの根性なしですので、やっぱり寒さの緩んだ春のほっこりした雰囲気の方が好きです。

 

開院以来、当院のリハ室には季節をあしらったオブジェを飾ることにしているのですが、2月は例年立ち雛を飾らせてもらっています(注1)。雛人形はひな祭りの日に片付けないとお嫁に行けないなんて言われますが、これは、ひな祭りとは本来「上巳の節句」で、人形(ひとがた)に厄を移して川に流すと言うしきたりであったため、節句が過ぎてもまだ人形があるとすれば厄が祓われていないと言うことになる訳で、娘御に災厄が降りかかるかも…と考えられたことから来ているようです。そんなことを言われてしまっては、大切な娘さんたちをお預かりする立場(注2)としては放置しておくわけにもいきません。3月3日の診療終了後、早々に御退場頂き新しいオブジェを飾りました。

 

このリハ室のオブジェ、次は何を飾ろうかな〜と考えるのはなかなか楽しいです。で、今回は飛行機の模型にしました。でも、ただ飛行機の模型だけを飾っても季節感が出ずつまらないので、周りをピンククォーツと言うピンク色の石で囲んでみました。

私の母校(注3)のすぐそばにあった鶴舞公園は桜の名所で、毎年桜の季節になると花見客で大変賑やかでした。もちろん若かりし頃は自分たちもそんな賑やかな人出の一部だったんですが、その後それなりに人生経験を積んだ大学院生の頃、回診の合間に7階の脳外科病棟からふと下にある鶴舞公園を眺めましたら、なんと美しいこと! 公園中が桜色の波に覆われ、風に揺れられて桜吹雪が散る様子は、それはそれは美しい光景でした。

そんな桜の波の上を飛行機が飛んでいるイメージにしてみました(^^)

 

鶴舞公園に限らず日本人は花見が大好きですが、この花見、花と言えば桜…と言う感じになったのは平安時代からで、それ以前の飛鳥〜奈良時代は、中国文明の影響が強かったためか花と言えば梅の花でした。奈良時代に編纂された歌集である万葉集でも桜の花より梅の花を愛でた歌が圧倒的に多いです。平安時代でも、漢文的素養の深かったセイショーのナゴンちゃんは枕草子で、「木の花は」と言えばいの一番に「濃くても薄くても紅い梅!」と断言してますね。

私はと言えば、浮気症なので可憐な梅子ちゃんと華やかな桜子ちゃんのどちらも甲乙つけ難く、2人とも大好きです。

 

梅の花から桜の花へ。花便りが待ち遠しい今日この頃です。

 

♪ 弥生春  夜も緩みて 茜雲 梅こそ香れ 君や花咲け

(大伴ヤキモチ)

 

注1)2018.2.14付「女子のおしゃれは」の項もご参照ください。

注2)2021.7.11付「父の心を」の項もご参照ください。

注3)名古屋大学医学部です。名古屋大学は本山にあるのですが、医学部だけは鶴舞にあるんです。

 

 

♪飛行機は銀。龍の背に乗るイメージで(^^)

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