明けましておめでとうございます。

今年の年末年始は寒かったですね。皆さんいかがお過ごしでしたか？

新型コロナはオミクロン株の登場でまだまだどうなるか予断を許しませんが、今のところ小康状態を保ってくれていますので、この年末こそ足掛け3年に及ぶ宿願であった茹でたての越前ガニ！（注1）と思っていたのですが、年末年始に寒波がやってくると聞いて、北陸の雪を鑑み断腸の思いであきらめました。

古代ギリシャの哲学者であるプラトン（注2）先生は、魂の三元説と言って、知性は頭、気概は胸、欲望は腹にあり、気概と欲望という2頭の馬を知性と言う御者が制御して行く2頭立ての馬車だと仰ったのですが、私はというと、良馬「気概」号にはとうの昔に逃げられてしまい、駄馬「欲望」号の引く1頭立の馬車にのんきな御者「ヘタレ知性」くんが乗っている感じです。まあ、それはそれでいいんですが、この年末は断ち切ったはずの腸から立ち上る美味なるものへの欲望に打ち勝てず、「ヘタレ知性」くんが居眠りしてるうちに駄馬「欲望」号がおせち料理を頼んでしまいました。なんてことでしょ。

おせち料理とは、本来は平安貴族の儀式である「節会（せちえ）」の際に供されたお食事のことで、それが最も重要な節会である元日節会に特化したものです。ですから、そもそも論として上達部殿上人に属する上級国民がお召し上がりになるものであって、私の如きウルトラ庶民の独居オジサンが手を触れるべきものではありません。お重箱さまに対し奉り三跪九叩した後蓋を開けさせて頂きました。

いやー、お見事でした。

今回お願いしたおせち料理はイタリアンでした。私はパスタが大好きなイタ飯大好き人間なのですが、前々から行ってみたからったイタリアンレストランがおせち料理を出していたのでこの機会にお願いしてみることにしました。で、これが大正解。見た目も綺麗で実に美味しかったです。最初は1人で食べ切れるかなと心配したんですが、美味しいものは食べてしまいますね。

欲望は腹にありとは全くその通りですな。

プラトン先生は、さらに四元徳ってのを唱えてらっしゃって、知性の進化系→知識・気概の進化系→勇気・欲望の進化系→節制、この三者でもって目指すべき道が正義だと仰るんですが、まあ私としては駄馬「欲望」号 &「 ヘタレ知性」くんと風の向くまま気の向くまま、「満足」くらいを目指してのんびり進んでいきましょうかね。

いつになく贅沢な正月でした。今年もいいことありますように(^^)

♪ この年も 良くぞあるべき 睦月朔（注4） 南蛮渡来の 節会の膳に

（大伴ヤキモチ）

注1）2020.12.31付「冬の味覚を」の項もご参照ください。

注2）「西洋哲学とはプラトン哲学への膨大な注釈である」と言われる程の偉大な哲学者ですが、本職はプロレスラーで「プラトン」はリングネームだったんですって。

注3）睦月（むつき）は1月の古い呼び方。朔（さく）は「新月」のことです。昔は新月から月が始まりましたので月初めの一日（ついたち）のことです。

見た目も綺麗。　

スパークリングワイン（スプマンテ）も付けてくれました(^^)　

名古屋市中村区の初日の出です。