当院は(水)午後、(土)午後、(日)(祝)は診療のお休みを頂いておりますが、私個人としては(水)午後は手術のお手伝い、(土)午後は訪問診療、(日)は脳ドックや当直など結構忙しく働いています。医者と言うものは技術者ですから、忙しいと言うことは技術を要求されていると言うことであって、良いことかなと思っています。
そんな訳で、なかなか自由な時間はない状態なのですが、動物は熱量(カロリー)と水と空気がないと生きていけません(注1)から、生きるために時々狩りに出かけることになります。空気は今のところタダですし、水も贅沢さえ言わなければ蛇口から出てきますから良いとしても、熱量ばっかりは狩りに行かねば手に入りませんからね。
で、先日、最寄りのスーパーで狩りをしていたところ、お惣菜コーナーで見かけた金の卵に心が釘付けになってしまいました。自分の社会貢献度に対して釣り合う程度の贅沢なのかと悩みに悩んだんだのですが、やはり最近めっきり自制心が衰えたようで、今回も清水の舞台から飛び降りてしまいました(注2)。
金の卵と言えば、「アリとキリギリス」「ウサギとカメ」「金の斧銀の斧」など数々の寓話で知られたイソップ物語の1つに「金の卵を産む鵞鳥」と言うお話がありますが、今回悩んだ金の卵はウズラ(鶉)の卵です。要するにウズラ卵の串フライですね。
私は貧乏育ちですので牛肉や豚肉などの食肉にはあまり親和性がなく、タンパク源としてはほぼ鶏卵と鶏肉で育ちました(注3)が、お値段そのものは鶏卵とあまり変わらないのに圧倒的に小さいウズラ卵はちょっとした贅沢品でしたね。
ウズラと言えば、フランス料理では時々鳥料理の食材として出てきますが、日本の食卓にはあまり並びませんよね。以前からなんでかなぁと思ってたんですが、ウズラは鳴き声が「御吉兆!」と聞こえるって事で、戦国時代や江戸時代には縁起の良いペットだったんですって。確かにペットとなりますと、卵ならともかく、肉を食べるのはちょっとね… 早速YouTubeでウズラの鳴き声を聞いてみましたが、うーん、どうかなぁ、まあ「御吉兆!」と聞こえなくもないような…。
ウズラ卵は味が濃くて、どう食べても美味しいんですが、その中でも串フライはサイコーだと思っています。
さて。気になるお値段ですが。1本98円でした。私的感覚ではかなりの贅沢ですが、たまには自分にご褒美ですね(^^)
♪ 御吉兆 金の卵の 連なるを 腹に収めて 懐寒し
(大伴ヤキモチ)
注1)熱量と水と空気。この3つがないと動物は生命を維持できませんから、医師である限り何科であっても栄養管理・点滴管理・人工呼吸器管理は最低限できないとダメ!と若い先生たちを指導したものです。今は昔…と言うお話ですが。
注2)2021.8.25付「甘き誘いに」の項もご参照ください。
注3)鶏肉と言っても専ら胸肉で、大人になって鶏もも肉を食べた時にはほっぺた落ちるかと思いましたわ〜。