先日、私が母校・名古屋大学で研究していた頃の研究グループの忘年会があり、久しぶりに参加してきました。
カテーテルと呼ばれる細い管を用いて、脳そのものに触れずに脳卒中を治療する「脳血管内手術」を研究するグループです。当時は随分目新しいものでしたが、今では普通の治療法になっています。今となってはアタリマエの技術なんですが、その当時は四苦八苦してやってた訳で、それを若い先生にひょいひょいっとやられてしまうとちょっと寂しい気はしちゃいます。でも、ノーベル医学生理学賞の第1回目はレントゲン線の発見(物理学賞)とジフテリアの血清療法(医学生理学賞)ですが、今となってはレントゲン装置なんて普通のものですし、ジフテリアで死ぬ子供もまずいません。技術の進歩が正しい方向に向くと、アタリマエの技術として消化吸収されていくということだと思いますから、その末端の末端のそのまた末端のまたまた末端を担った名もなき医療者として少し誇りに感じてもいます。まあ、下世話な話をすれば医学博士を頂けてよかったです。これは本当に嬉しかったですよ。名古屋大学の博士号と言えば、益川博士や天野博士のようなそれこそノーベル賞学者を生み出した博士号ですからね。僕が死んだら墓標に刻んでもらいたいくらい誇りに思っています。
さて。
忘年会は名駅近くの四川料理店でした。
とても美味しい店であることは知っていたのですが、僕の胃腸はどうにもカプサイシンを受け付けず、翌朝必ずお腹を壊してしまうんです。うーん…と参加するか否か迷ってしまったのですが、今では名古屋大学脳神経外科のエライサンになった海南病院時代の元部下から直接連絡をもらったので腹下しも顧みず参加することにしました。
会が始まり、最初のうちは「最近どーよ」的な社交辞令を取り交すのですが、お酒が入ってきますとだんだん昔に戻ってきて、この歳になっても師は師、弟子は弟子です。チクチクとお小言を喰らいました。しかし若い頃の師から喰らうお小言は素直に聞けるのが不思議なところです。
参加しても辛いものは食べなきゃいいやと思っていたんですが、目の前に店の売りである麻婆豆腐を並べられると誘惑にはなんとも抗いがたく、酒の力も相まってついつい食べてしまいました。
で、結果はやっぱり…
♪久々に 師より頂く お小言は 四川の味より なほ辛きなり
(大伴ヤキモチ)
師匠1 藤田保健衛生大学名誉教授・根来先生と(許可を得て掲載しています)
師匠2 次期愛知医科大学教授・宮地先生と(許可を得て掲載しています)
麻婆豆腐。辛くて美味しかったです。次の朝までは…